仮面の大使

桜のような僕の恋人の仮面の大使のレビュー・感想・評価

桜のような僕の恋人(2022年製作の映画)
3.6
 変わりゆく中で変わらないもの。

 美容師の美咲(松本穂香)に恋心を持つ晴人(中島健人)はある出来事をきっかけにデートに誘う。そのデートで美咲の言葉からカメラマンの夢を再び追うことにした晴人。二人の仲は急接近する。だが、美咲の身体に異変が起こるのだった・・・。

 ベストセラーである同名小説を映画化した作品。原作は既読。読んだときはめちゃくちゃ号泣しました。

 人より数十倍早く老いを迎える難病。この映画に出てきたファストフォワード症候群は実在しないそうですが、似た病気としてウェルナー症候群というものがあるそうです。さすがに映画みたいな急激な早さで老いが訪れるというわけではないそうですが、世の中には知らない病気がまだまだあるんだと感じます。

 今作はやはり美咲を演じた松本穂香の演技がとても良かったです。『余命10年』では小松菜奈が難病の役を熱演していましたが、今作では松本穂香が若くて元気な頃から老いていく姿までを熱演していました。

 また、美咲の兄夫婦も良かった。こういう難病系恋愛映画において支えてくれる人が重要になってくると思っているんですが、妹のためにできることはやりたいと思うお兄ちゃん、実の妹のように気遣ってくれる義姉の姿にグッときました。

 変わっていく美咲の姿。でも思い出は変わらない。写真は過ぎゆく一瞬を永遠に閉じ込める魔法。写真っていいなあ。久しぶりに撮りたくなった。

 そういえば、美咲が晴人を振るときに好きな人がいるから戦法使ってたけど、『君が心をくれたから』でつい最近永野芽郁が使ってるのを見たばっかりだから思わず笑っちゃいました。やはり同じ宇山作品だから同じ戦法が出てくるんですかね。

 
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