タクマ

生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事のタクマのレビュー・感想・評価

3.8
見たで。
玉砕こそが絶対正義と言う時代の価値に抗い生きろといい続けた男。最後まで戦後のその先を見つめ人の尊厳を守り通した強い意志が未来を担う命を繋いだ。人の言葉の力が人を生きさせる。国の都合で民衆の言葉が無視される現代において島田叡さんの問いかける言葉は重い。
昔に読んだ沖縄決戦の惨状を描いた漫画で名前だけは知っていた島田 叡さん。県知事就任時に奥さんと交わした会話の内容とこの方が沖縄の人ではないと言うのは読んで知ってたけど実はその奥さんとの会話よりも4日も前に既に沖縄県知事の職を打診されていた事までは知らなかった。自分の運命から逃げずにこれが家族と過ごす最後の時だと覚悟を決めた時間を彼は何を考えながら過ごしてたんだろうか?ただただ見送るしかなかった家族の無念さはどれほどの物だっただろうか?
島田さんやその周辺の人々の姿を沖縄戦を生き残った方々の生の声を交えながら描くドキュメンタリーだが自分が子供の時にはまだまだたくさんいたあの戦争を体験した人達も今では少なくなってしまったんだなあと感じる作品でもありあの戦災から得られる教訓は今の時代をより良く生きる為の物でもあると改めて思った。
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