猫そぎチャンスペロッテ

Firebird ファイアバードの猫そぎチャンスペロッテのレビュー・感想・評価

Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)
3.9
2021年エストニア
監督/ ペーテル・レバネ
出演/ トム・プライアー(セルゲイ)/ ダイアナ・ポザルスカヤ(将校ルイーザ)/ オレグ・ザゴロドニー(ローマン大尉)/ ニコラス・ウッドソン(クズネツォフ大佐)/ マルゴス・ブランゲル(スベレフ少佐)

(実話として)セルゲイ・フェティソフは、1952年ソビエトの生まれ、1970年代に占領下のエストニアにあるソ連空軍基地で2年間の強制徴兵を受けた、ここで彼は戦闘機パイロット(ローマン)と恋に堕ちる、

当時のソ連では同性愛は法的に固く禁じられており、発覚すれば厳しく処罰されていた、、しかも軍組織の規律のなかでのこと、、、

その後(ローマン死後)、、、セルゲイはエストニア出身のレバネ監督(かねてから同性婚を国に認めさせるロビー活動を行っていた)とコンタクトがとれ、セルゲイの回顧録『ローマンについての物語』をもとに、、監督が映画化、セルゲイ本人とレバネ監督、セルゲイを演じたイギリスの俳優トム・プライアーが共同で脚本を手がけた、(セルゲイ本人は65歳で急逝)

そして本作は2021年、エストニアでLGBTQ映画として一般劇場公開されヒットを記録し、反響を呼び2023年3月には国会で「同性婚法案」が議決され、2024年1月に施行された、、


この「同性婚法案」(日本では同性パートナーシップ制度━として自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度)は、同性愛者を始め、性的マイノリティが尊厳を持って暮らすことができる制度としてとても重要になる、、(💏)



(映画のストーリーとして)1970年代後期のソ連支配下のエストニア空軍基地で、モスクワで役者になることを夢見る若き二等兵セルゲイ ( トム・プライヤー ) と同じ基地に配属されたパイロット将校のローマン大尉 ( オレグ・ザゴロドニー ) が恋におちて、さらに同基地で同僚の女性将校ルイーザ(ダイアナ・ポザルスカヤ)もローマンに恋心を抱いていて、3人それぞれの葛藤を「真実の愛」の物語として展開されている、、、


同性二人の禁じられた恋(秘めているだけでなく破滅をも恐れず暴発に近い)は、軍事下だけに非常に危うい、、その恋はセルゲイの任期満了後、そしてローマンとルイーザとの結婚後にも続き、愛の葛藤・嫉妬の感情が(ドロドロ)揺れ動く、


観ている側も、『ローマンとセルゲイは勇気と喜びを持って生きた気高い行為』なのか『ルイーザに対して営みを破壊する行為』なのか分からなくなる、、🐤

愛は破滅を恐れない、自分達だけでなく、周囲を窮地にさらす、それでも愛の崇高さを自ら讃える、、💗


「愛♥️とは、何があろうと一緒にいたいとおもうこと」という言葉の正しさに半信半疑になりそうだが ━━ (🐥)



この映画で得たものは貴重なものと思った!☺️💕
(愛の別の側面をもっと教えて🐔タノム)