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ノーカントリーのtulpenのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
4.5
小説を忠実に描き自分たちの作品の中で1番暴力的な作品だとコーエン兄弟は語っていた。

冒頭の殺しにすっかり魅了された。あの現場のリノリウムの床に残されたゴム底の靴でひっかかれた生々しい無数の跡に鳥肌が・・・ そこからはもうハビエル演じるシガーに引き込まれていくだけ。
家畜銃で人の頭に穴を開けてぶっ殺すあんな変なおかっぱ頭のハビエルを初めてSEXY!!って思ってしまった。

「私が演じた殺し屋は、人間の存在を超え、暴力、運命、死を体現する存在だ」 言うことまでかっこいい(笑)
びっくりしたのは、ジョシュ・ブローリン演じるモスの嫁を演じたケリー・マクドナルドだ。
『トレインスポッティング』でキュートな女子高生ダイアンを演じてた時にはスコットランド訛りがきつい女の子だったのに
今回スッカリ 訛りを克服してテキサス女になってたこと。
ラストのケリーの台詞、恐れをおしこめて無垢な眼差しで シガーを正面から見据えていたこのシーンはすごく好きだ。
そして、家を出てきたシガーが
去り際に靴の裏を気にするしぐさが不気味でいい。

撮影監督はロジャー・ディーキンス

今はもうない静岡ミラノにて。
2008.5/3 (24)通算1079
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