マインド亀

ライダーズ・オブ・ジャスティスのマインド亀のレビュー・感想・評価

3.5
みかけアクションリベンジ大作のほんわかヒューマンドラマ

●北欧の至宝マッツ・ミケルセンがヒゲモジャの軍人になって殺された妻の復讐をするアクション映画、と書くとよくあるハリウッド作品のようなものに聞こえるのですが、なんとも不思議な凸凹のある作品で、むしろヒューマンドラマのような味わいがある作品でした。
人間はありとあらゆる偶然に常にさらされ、外部からあらゆる影響を受けて行動が決められていくのですが、その結果テロに巻き込まれて死ぬ場合もあります。そしてそれが愛する人だった場合、どこかにその原因を見つけて、それに向き合おうとしてしまいます。要は、愛する人を失った喪失感にどうやって向き合っていくかの話なんですね。

●そこでマッツ・ミケルセンの仲間になるのが3人の理数学者、いわばオタク達なのですが、暴力でしか物事を解決できないマッツとこの3人の対比が面白く、娘とそのボーイフレンドや、敵から救い出された売春夫が加わり、それらがチームを組んで疑似家族になるところがとてもほっこりとして、ドンドンとシリアスな状況に陥っていく一方で楽しい気持ちにもなりました。不思議なバランスの映画でしたね。

●そもそもこの題名の「ライダーズ・オブ・ジャスティス」という組織がどういった組織で何をやってるのかもよくわからりません(笑)なんだか悪いんだろう、というくらいしか感じるしかないのですが、観終わってみてこれが映画のタイトルになってるのも不思議に感じました。なんか映画タイトルでミスリードされた感じがして…観る前は、正義の名の下、悪人たちに私刑を執行していくバイカー集団の映画だと思っていましたから(笑)

●後で調べたら、理数学者オットー役って、『特捜部Q』シリーズの刑事カール・マークでおなじみ ニコライ・リー・カースだったんですね!『特捜部Q』では執拗に操作に取り憑かれ、犯人を追い詰める刑事役だったんで、ちょっとふっくらしてひげもじゃで、演技もおどおどしてて全く気付きませんでした!良い役者ですね~!

●とにかく、ものすごく不思議な感覚の復讐映画です。無軌道でどこに向かってるのかよくわからない、だけど観終わった後にはほっこりとしてしまう感じがめちゃくちゃ新鮮な作品です!是非観てください!
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