フジタジュンコ

ブラフマーストラのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

ブラフマーストラ(2022年製作の映画)
3.6
シャー様がかっこよすぎた……シャー様ご自身がもはや神々の最終兵器、ブラフマーストラなのでは…??? これは、シャー様の物語…??????(混乱)

いやほんとに、シャー・ルク・カーン、こんなかっこよかった…? スクリーン映えしすぎじゃないですか…?? それとも私がメガネフェチなだけですか…?? かっこよすぎて息ができずにいっとき死を覚悟しました……シャー様のシーンだけ600回は見たい。劇場でもう1回見ることはないと思いますが、円盤は出たら買います(シャー様を見るために!)。

SRKにアミターブ・バッチャンと、レジェンド俳優を登場させるなりふりかまわずぶりはありがたいのですが、ここしばらくヒットに恵まれなかったヒンディー語映画の起死回生の一発としては厳しい気がしました。決してつまらないわけではないんだけど、手放しで面白い!って言えるか?と問われると……

せっかくのドラマチックなファンタジー設定とせっかくのド迫力VFXアクションを台無しにするかのように、主役ふたり”だけ”の「愛」に収斂させていくのは、スケールが大きい神話をベースにした物語として、どうにも肩透かしをくらった気がしてしまう。
ヒンディー語映画ではこういう恋愛至上主義なストーリーテリングはあるあるで、お好きな方にとってはこういうのでいいんだよ!なんでしょうが、一般的な日本人にとってはシヴァが「容姿の可愛い女の子に一目惚れした」以上の何ものでもないのは、そもそもこの物語の根幹である「愛」に没入しづらい気がします。そりゃアーリヤー(しかも大富豪の娘)が目の前にいたらたいていの男は「君のことを知らないけど一生君を愛する自信がある」って誓うっしょ…男女が恋に落ちるのに説得力を感じられなくて、その説得力のなさというのは特になんの感情の揺れもなく平坦に進んでいくわりに尺をとってタイタニックごっこしたり踊ったり歌ったりしてる(これ敵が迫っててもやってるんですよ)せいで、飽きるんだよな……アーリヤーの顔面をもってしてもこの退屈さには勝てませんでした……

とはいえ、まだ1作目ですし、掌返しする準備はできているので、続編も楽しみに待ちたいと思います。あとシャー様のキャラクターメインのスピンオフ、はよ制作して!!!!