藤枝梅安と言えば渡辺謙や岸谷五郎も演じていましたが、やはり必殺シリーズの第1作での緒形拳のイメージが強いです。
今作の豊川悦司・梅安は良かったです。
エロスを漂わせているのが良いです。
原作の梅安は確かデカいイメージがありましたから豊川悦司はピッタリですかね。
やはり豊川悦司のフォルムが良かった。
天海祐希と並ぶと様になりますし、ラストの2人のカットのフォルムがいい。
片岡愛之助の彦さんはちょっとイメージが違いましたが、2人のバディ感というかブロマンス感は最高でした。
何かにつけて彦さんに飯を食わせて家に泊まらせようとする梅安が超キュートです。
池波正太郎作品だけあってメシがどれも美味そう。
梅安・彦さんの「きのう何食べた?」をずっと観ていたい感じもありました。
今作に端を発する「必殺シリーズ」の魅力といえばケレン味とハードボイルド感だと思います。
この二つのバランスは存外に難しく、国民的人気になった「必殺仕事人」は個人的にケレン味が行きすぎてあまり好みでは無く「新・必殺仕置人」くらいがベストです。
翻って今作はハードボイルド度が高く、ケレン味は低めなので地味に感じる方もいるかもしれません。
加えて「必殺シリーズ」は45分間溜めに溜めたフラストレーションをラスト15分で爆発させ圧倒的なカタルシスを得る構成になっています。
今作の問題は上映時間が134分もあるので115分くらいフラストレーションが溜まります。
結構ゆったりと進行するのでもうちょっとタイトにした方が良かったかと思います。
近年はオープニングからラストまでクライマックスみたいな映画が増えているので、さらにゆったりと感じました。
エンドロールの後に結構長めの次作への引きがあるのでご注意ください。