ポンコツ娘萌え萌え同盟

都会の女のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

都会の女(1930年製作の映画)
3.9
都会の溢れ返る人の多さの中、ウェイトレスの孤独の女ケイトは田舎の風景に夢を見た。

そんな最中に一人の小麦を売りに来た誠実そうな青年に出会い、二人は結婚する。だけど素朴な田舎のように見せかけてそう上手くは行かない。
たしかにケイトという女の映画ではあるが、一方で青年のレムがこの物語を通して成人する映画でもある。それが中盤の田舎編から後半の騒動にかけて。

前場面で一波乱の物語の不穏の影を感じる裏腹に、麦畑をケイトとレムが駆ける惚気場面のカメラワークの幸福と期待に圧倒される。だけど本作はやはり終盤の怒涛の展開に目が離せない。嵐の前の静けさを煽り、それは確実に来るかのように夜の明暗が画面を2等分する。
小麦の袋が倒れ落ちたのがスタートだよ!と言わんばかりに同時にこの田舎の崩壊しかけの均衡は一気に破られ物語は一気に嵐のように波乱が流れ込んでくる。
嵐と物語の波乱を表現するのだとつい近年では児童小説の『四つ子ぐらし7巻』でも使用されていたが、
やはり嵐の一難が去ったあとにはなんとも多幸感を感じ感動した。

余談だけど、DVDの弁士付きのやつで観たんだけど映画は面白かったけど、音声にたまに外音が交じってるのがいただけない。どんな環境で収録したの?これ