【詳述は、『自画像:47KMのおとぎ話』欄で】対象との自然体·敬意と礼節が、ミニDVとは思えない画質で、全編·偏屈に見えなくもない·が空気はそこにしかあり得ない固定カットのみを編み込み、職業へのプライド·愛着が、劇場内の狭く限られた路を泳ぎ養われ続け、凄まじい品格と安堵のステージでの開花として世界を浚う繰返しの日常を、描いてく。無二の傑作。

学生時代からずっと観たかった、『ニッポンの、みせものやさん』の奥谷監督の最新作。これを逃すとそう簡単に観られなくなると思い鑑賞。

同世代の女性を撮りたかった、と語る監督。かつボクシングのように、身体を張り、体を露わにする仕事として。

ミニDVテープの映像。
ねえさん、と呼び合う踊り子たち。

監督はこの「踊り子」という言葉にも拘りがあると述べていた。
また、彼女らのストリップは、「作品」なのか、水のように流れる「出し物」なのか。
踊りにフォーカスせず、舞台を出入りする彼女らを撮る。
本来撮影が許されないストリップ劇場で、ここまで踊り子の皆さんに肉薄した、ある種窃視的な映像のための、徹底的な信頼関係の構築。監督は4年ほどストリップ劇場に通ったそうな。

ティーチインでは、何度も撮る、何度も聞く、という演出方法（撮影方法）を聞くことが出来て興味深かった。

それから、劇中の音楽（大抵は舞台から聞こえて来る踊り子たちのステージ音楽）がどれも素晴らしく、感傷的のひと言では片付けられない、明るさに満ちた鎮魂歌のようで、驚いた。