キャサリン子

先生、私の隣に座っていただけませんか?のキャサリン子のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

結婚5年目を迎えた、俊夫(柄本佑)と佐和子(黒木華)の漫画家夫婦。
佐和子が不倫をテーマにした新作を描き出すが、佐和子の担当編集者である千佳(奈緒)と不倫中の俊夫は、佐和子の新作に登場する夫婦が自分たちとそっくりであることに気づき、自らの不倫がバレているのではないか…?と不安に陥る。
そして漫画のストーリーは、佐和子をモデルにしたらしき女性と自動車教習所の先生が恋に落ちる展開を迎える……。


タイトルだけ見ると「学校の先生と生徒のラブストーリー」を想像させるけど、全然違う。
そんなお花畑系青春ラブストーリーではなく、一組の夫婦のお話です。
しかも、これはある意味「ホラー」(笑)。
相手にはバレていないだろうと過信して不倫や浮気をしている平和ボケした世の男性(女性も)諸君は、これを観たらスゥーッと寒くなるかも。この暑いのに。

夫に漫画を書かない理由を尋ねたときの、あの俊夫のセリフは私が佐和子の立場だったら傷付くだろうな。
「何を見ても心が動かないんだ」って、自分との毎日はつまらないと言われているようなものじゃないか。
何も起こらないけれど静かで穏やかな日々こそが平和であり幸せというものではないのか。
こんな退屈な毎日の繰り返しでは何を見ても何とも思うことなど無い、漫画?そんなもの書けるわけなかろう!!そう言いたいのか。

俊夫はきっと、刺激を求めたくて不倫をしているのだろう。
浮気をされることよりも、自分が信じてやまなかった平凡で穏やかな毎日を否定されたような感覚…それが佐和子をひどく傷付け失望させたのではないかと思った。


ラストは、良い意味での「裏切りのラスト」。
超爽快でした!
キャサリン子

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