大河ドラマ「光る君へ」を欠かさず見ている。ヨシタカも巧いのだが、道長(柄本佑)の二人の妻が気になる。野心をギラギラさせてきた瀧内公美。2人は「火口のふたり」で共演してたよな🔥。娘の入内に抵抗していた嫡妻が黒木華。道長とまひろ(のちの紫式部)の関係が周囲に疑われる第36回のラストでは黒木華が微妙な表情を見せ、我らがヨシタカは赤染衛門に問い詰められる。33話の「どうして殿がまひろさんをご存知なのです?」って黒木華のひと言にもハラハラした😰。そういえばこの2人が夫婦役の映画あるよね…🤔
…という訳で「先生、私の隣に座っていただけませんか?」に挑むの巻。今年は気持ちの向くままに観る映画を選んでる気がする💧
漫画家夫婦である佐和子と俊夫。俊夫は担当編集者の千佳と浮気している。佐和子の母が足を怪我したことから田舎での同居生活が始まり、佐和子はいずれ必要になるからと自動車学校に通い始める。留守中、俊夫は佐和子が机の上に置いていた新作の原稿を見てしまう。それは夫の不倫を知った漫画家の妻が自動車学校の先生に恋する物語だった。
ヤバっ。何これ。面白っ!
あー、わぁ、ええっ
テレビの前で一人でキャーキャー言いながら観ていた(恥)家族が留守でよかった💧
妻が描くのは創作なのか現実なのか。その境目が曖昧な演出もあるだけに、先がどうなるのか実にスリリング。何を考えているのかがつかめない佐和子の言動に、こっちまでハラハラさせられる。
結婚という型がある以上、世間が不倫だと騒ぐ行動は確かによろしくない。でも人を好きになることは、相手が婚姻外であろうとどうしようもない感情。それが相手に真剣に向き合わない、いわゆる浮気なら許されるべきではないだろう。この映画の俊夫はまさにどっちつかずの浮気のクチ。だから妻のマンガを見て激しく動揺することになるし、妻の様子を見るために車走らせたりする。一方で浮気相手の千佳があっけらかんとして後ろめたさを感じさせないのが対照的。男ってダメな生き物よねw
俊夫が乗ってるVWゴルフ。昔はスポーツカーぽさもあったゴルフで、僕の周りにも熱烈ファンがいるのだけれど、映画に登場するモデルはより実用的になって、"カッコで乗る車"ではなくなった印象(個人の意見です)。漫画家としては新作が描けなくて家庭に収まっている俊夫が、実用的な車に乗ってるのはなんかいいセレクトだなと思った。
次の展開が予想できず、ラストシーンにはちょっとびっくり。ハンドルを握る佐和子の楽しそうな表情は、まさに翼を得たような嬉しさに満ちていた。
蛇足ながら。
自動車学校の先生と教習で知り合って、結婚した知人がいるもので、佐和子と新谷先生のやり取りにドキドキ。あの空間ってドラマが生まれることもあるんよね♡
教習車にある2つのバックミラーが2人の視線の交差点になる。クライマックスでは佐和子の仕事机にある鏡に俊夫が映る。鏡の使い方すっごく巧いと思ったのでした。
自分たち夫婦に起こったことをネタにマンガを描いた佐和子。そう言えば「光る君へ」でもまひろが言ってたじゃない。
「わが身に起こったことは全て物語の種にござりますれば…」
いにしえも今も変わらないといふことにござります。