わたなべのどか

エンドロールのつづきのわたなべのどかのネタバレレビュー・内容・結末

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

サマイはある日家族と見に行った映画館で、映画のとりことなる。見るお金がなかったが、試写室で働く映画技師のファザイと知り合い、毎日母が作るお弁当と交換で、試写室から映画をみせてもらえることに。
映画を自分でも映したいとゴミ捨て場から、ガラクタをかき集め自作の映写機をつくり、盗んだフィルムを上映する。ますます映画にハマるサマイだったが、時代はIT化が進み、通っていた映画館も映写機ではなくパソコンにかわり、ファザイも解雇され映画を観に通うことが出来なくなった。サマイは自力で映画を学びたいと勉強を始める。

2023/1/21
通っていた映画館の映写機とフィルムが廃棄されることを知り、サマイは廃棄工場まで忍び込む。映写機もフィルムも溶かされ、映写機はスプーンに、フィルムは女性のバングル(インドの腕輪?)にあっけなく姿かたちを変えられる場面を目の当たりにするシーンが印象的。
父親を手伝い電車の乗客に物売りをしている子どもたちが、自分たちで映写機を作ろうと電球やミシン、自転車の車輪を使って自作する過程は、新しいワクワクを見つけた子どもたちを応援する気持ちになる。
映画に反対してた父親が村を出て、学びにいけと背中を押すシーンはいいシーンだけど結構唐突すぎて、え?ってなった。最後、サマイが電車に乗って、女性たちがしている腕輪を見ながら、映画の監督や俳優の名前をつぶやく。フィルムの生まれ変わりだと知ってのことだが、何人ものの人の名前を挙げていくうちに、その声がだんだん大人になっていき、挙げる名前も黒澤明とかタランティーノとか、幅広になってるのは多分大人になって映画を色々知ったってことを表現してたの、かも?
ただ、これから映画学ぶぞーってタイミングで話が終わるのでもっとサマイの人生の続きが見たかったという意味で期待よりちょい下がったかな。
登場人物のセリフが少なく、表情や映像のカットから読み取ることも多いので、退屈な人には退屈かもしれない。