Itotty

エンドロールのつづきのItottyのレビュー・感想・評価

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
3.9
おおーこれは監督さんの自伝的ノンフィクションなんですね!
と、見終わって知ったらなんとも心温まります。


主人公の田舎の少年が、映画、フィルム、光に出会って、好奇心いっぱいに友達とフィルム映像の再現に取り組むというお話。
小学生くらいの年代で、興味の赴くままに行動する少年は、大人になった自分としては理解できないことも多い。
誰かに迷惑をかけ、犯罪をし、うまくいかずにモノに当たることもあって、とても大人から見たら悪ガキそのもの。

でもね、憎まれへん。やっぱりまっすぐなんよな。
まっすぐ伸びようとしてる。
それをいい方向に伸ばすんか、悪くするんかこそ、家族であり教育なんやな。
監督さんはそれを知ってるからこそ、家族や先人たちへの感謝を忘れない。
最初から最後まで、映画と自分を愛してくれる人への感謝で溢れてる。


少年は、フィルム映画の行く末を見ることによって、はじめて社会の厳しさを知ったんやろう。
そして、本能的に、生きるため勝ち抜くためには学ばなければならないことを知ったんやろう。
少年は決して自分の境遇を嘆いてはないけど、フィルム映画という歴史のエンドロールを見届けた後に、自分の道を歩き始めた。
その少年の眼差しが、邦題にマッチしていて、とてもよき余韻が残る。
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