冒頭で現代劇が登場したり、登場人物の早口での会話やコミカルな挙動など若き日の市川崑監督による才気あふれるパロディに満ちたアニメチックな演出は楽しいけれどさすがに70年たった現在から見ると古くさく感じるし、ストーリーも杜撰でテンポが結構のろめなので飽きてしまう。
大谷友右衛門の銭形平次は他の人が言うほど悪くはなかったと思うが、モダンな作風に合っているかというと微妙。平次の子分役の伊藤雄之助(母親が三好栄子!)や平次の恋人の杉葉子といった濃いキャラが活躍している分損しているところも。
お金がもったいないと武器の投げ銭にゴムをくくりつけて回収できるようにする平次なりの工夫や、岡っ引きになりたてなので銭がなく節約した生活を送っているところを「ケチ」と恋人に言われ「ケチと吝嗇は違うんだ!」と言い返す件に爆笑。