天晴れ一番手柄 青春銭形平次の作品情報・感想・評価

「天晴れ一番手柄 青春銭形平次」に投稿された感想・評価

銭形平次の若き日を、市川崑がパロディたっぷりに描いたナンセンスギャグ時代劇。


現代の日本。

強盗とパトカーの逃走劇アクションが映されると、「あ、間違えました」と舞台が江戸時代に切り替わってしまう。

そんな感じのスラップスティックなギャグが絶えず炸裂する。

他にも、銭形平次の必殺技である「銭投げ」を、銭を投げるのがもったいないということでゴムを付けて投げたり、大人数が画面の片方に押し寄せるとカメラが傾いたり、などケチ臭いことをいちいち斬新な手法で表現しており、飽きずに笑って楽しめる。

ただ、コントの連続性だけで一本の映画を持続させようとした結果、肝心のストーリーがひどいものになっている(笑)

本作は、時代劇を見て映画ファンになったという市川崑が初めて手掛けた悲願の時代劇でもある。

当初、市川は銭形役を池部良にするつもりだったが、田中友幸プロデューサーが会社から大谷友右衛門で一本やれというお達しを受けおり、市川の企画と結びつけたのがきっかけとなって変更したらしい。

根負けした市川は大谷を起用するも、熱心だったが、軽快さが出ていない、とのちに評しており、やはり納得がいかなかったらしい。

活動写真時代の画調を再現しようと、平面的でグラスステージで撮ったようなライティングにし、現像でフィルムにムラをつくるなど、かなり徹底してこだわったのだが、何度もいうように肝心のストーリーが弱く、「面白いシナリオで、楽しく失敗をした」と市川は語る。

本人が失敗作と言ってるけど、個人的にはどうしても憎めない映画なので、もうすこし広まってほしいところ。

どうでもいい話だけど、市川崑が最初に映像化した横溝正史作品は『犬神家の一族』だと思われているけど、実は「人形佐七」が数十秒だけ登場する本作が最初なのでした!
冒頭、53年当時の日本で繰り広げられるアクション。
ナレーションが「すみません。間違えました」と言って、急に天保年間の日本へと切り替わる。

こういうすっとぼけたギャグが全編に充満しているのだが、肝心のストーリーは平凡なので次第に飽きる。

ラストのゴタゴタは良いのだが、そこに至るまでのくだりが微妙だったのでいまいちノレず。

黛敏郎の音楽が良い。
若き日の銭形平次である。主演は当時、大谷友右衛門だった中村雀右衛門、京屋さん、通称ジャッキーである。

火打石の代わりにライター使ったり、投げた銭がもったいないからゴムで指にくくりつけたり、全編にパロディが散りばめられている愉快な作品である。

ただどこかグダグダ感を感じるのは、肝心の平次親分が物語を通して、人間的に成長していないからか…
とにかく若き日のジャッキー、そして怪優・伊藤雄之助の珍コンビぶりをご堪能あれ。