コーダ あいのうたのツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

美しい歌と聴覚障がい者の問題パワーで誤魔化されてる気がする。
自分以外の家族が全員聴覚障がい者のルビー。彼女は歌うのが好きだったから合唱グループに参加するが…
家族を取るか夢を取るか、複雑な心境を綴った人間ドラマ。本作が2021サンダンス映画祭で二冠、2022アカデミー賞もノミネートされるという噂を聞き鑑賞したが、かなりモヤモヤした映画体験になってしまった。ストーリーとして聴覚障がい者で漁師をしている家族で1人だけ健常者の主人公、そんな時に国の圧力で漁を営むのが難しくなってきて大変、さらに家族を助けていると自分の夢から遠ざかっていく。まあけっこう王道な青春ドラマでよくあるストーリー、そこに障がい者要素と美しい歌を添えれば感動するでしょ？という製作側の意図が見え隠れしてしまい正直冷めてしまった。
ストーリーにリンクし主人公のルビーに寄り添った美しい歌はまあ良いとして、障がい者と健常者の関係や問題を描いたならある程度の答えを用意して欲しかった。ラストでルビーの夢は叶いそうだが、残った家族の道筋は全然見えなくてモヤモヤする。まあそれはメインじゃないからと言われればそうだ。しかし障がい者をあそこまでストーリーの主軸に入れ込むなら"サウンド・オブ・メタル"までの境地は期待してないが、何かしら到達点か妥協点が欲しい。