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コーダ あいのうたのkoukiのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.4
言語というのは厄介でアイデンティティの構築の役割もあるが、コミュニティはそれぞれで断絶されてしまう。これに対して「音楽」で融和を起こす取り組みはよく見かける(音楽は国境を越える、的な)。では音楽が万能薬かというと、そうじゃない。それくらいたぶん皆知っている。けれどある意味皆そのことを無視していて、俺も考えないようにしていた気がする。結果、本作を観て思い出したように不安になった。融和を媒介していた「音楽」はむしろ分断を引き起こしていたのが事実かもしれない。とりわけ本作途中での沈黙の数分間は腹を殴られる以上に苦しかった。

しかし、だからこそ、。
正直、結末は容易に想定できるものではある。でもそこには家族の絆の話以上に大きな希望と意味を感じた。
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