兄の怒りの矛先が愛に溢れていて震えた
この手の家庭を描く時、いや映画にしなくとも、障害を持つ方が主人公としてスポットが当てられがちで、家族はそれを支えるのが当たり前の流れだしそうあるべきだと自分にも言い聞かせていた。
けれど案外その犠牲を払うことをハンディキャップを持つ側が嫌っていることもある。自分は自分なりに頑張るのだから、健常者側に無理に引っ張ってもらわなくてもいい、自分の家族だからこそ、自分が望む人生を生きてほしい。そんなメッセージがひしひしと伝わってきたのは、役としての言葉でなく今までの人生が背負っていたであろう、ろう者自身の言葉だったからだと思う。
実際にルビーと同じ立場にあったものとして、(ルビーのようなヤングケアラーのような生活は全くなかったので同じにしてはいけないけれど)今自分が好きなように生きていること、それを家族が喜んでくれていることを改めて思い出してわんわんと泣いた。