19歳

コーダ あいのうたの19歳のネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

本当に好き。文句なし5.0

主人公のルビーは朝3時に起きて漁の手伝い。家族でたった一人の聴者のため業者の人と話をつけるなど、通訳としての役目も果たさなくてはならず、家族優先で生活は他の学生よりも忙しい。きっとストレスが溜まったり家族なんて嫌だと投げ出したくなるはずなのに、それでも家族を守るルビーの姿に心打たれた。ルビー役のエミリア・ジョーンズさんは演技も歌も素晴らしくて、人の心を揺さぶる力があると思う。

お母さんの「あなたが生まれた時、耳が聞こえると知って悲しくなった。分かり合えないと思ったから」という言葉。赤ちゃんが誕生して喜ぶべき瞬間に、不安を持ったり悲しくなるってどれだけつらいことなのかと、胸が苦しくなった。音楽発表会で他の親御さんの顔色を窺ったり、ルビーが歌うと喉に手を当てて振動を感じたり。聞こえないながらに、娘の歌声に寄り添うお父さんには泣かされ、お兄さんも妹のために怒ってくれて。心が通いあってるなと、家族愛を強く感じた。

V先生のような先生がいてくれたらな。個性的だけど、生徒の才能や可能性を引き出してくれるめちゃめちゃに良い先生。マイルズとの場面もかわいかった。

カメラワークもとても良くて感情移入しやすかった。おかげでたくさん泣いたし、足組んで悪そうな態度をしていた隣のおばさんも鼻水啜らせて大号泣していた。笑ってしまう場面もちらほらあって、音楽も程よいからすごく見やすい。

昔近所にコーダのいる家庭があって、そのコーダの子とは遊んだり、ろう者のお兄さんとは手話を使ったり口を大きく開けて会話したり。それを思い出すいい機会にもなった。
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