このレビューはネタバレを含みます
聞こえる自分が家族と他の人を繋げる架け橋を担うしかないというのは必然的なことであるけど、ルビーが歌と家業の手伝いどちらを取るかで悩んでいる姿が苦しかった。
それでも、家族のことを恨んだり、責めたりしないルビーは優しくてえらくて、その時の感情に任せちゃったりして中々できることではないと思った。
家族も家族で耳が聞こえるルビーに頼らざるを得ないし、でも一生自分達の通訳でルビーを縛りたくはない。その葛藤が伝わってきてそこも泣けた。
ルビーが合唱を諦めて、家業を手伝うといった時、兄が失せろとルビーを遠ざけたところも態度とは裏腹に愛が伝わってきて温かい。
ルビーの合唱の舞台を家族が観にきてたところでは、無音になる演出で、家族にはどう映っているのかリアルに想像できた。娘や兄弟の晴れ舞台での歌声が聴こえないのは本当に辛いしもどかしい。聴きたいだろうな。
その他にもお父さんがルビーの歌声を聴こうとして、喉に手を当てて感じるところも、試験の時、家族にも伝わるように手話付きで歌うところも涙。
それぞれの想いや優しさがびしばし伝わってきて、痛くてじんわり温かくて良い作品だった。観てよかった。