CODA(Children of Deaf Adults)という言葉を本作で初めて知りました。
タイトルには、きっと楽譜のCodaの意味もあるのかなと思います。本作はそれまでの家族の形態の一つの終わりと新たな始まりの物語です。
家族の耳となり、通訳として、ファミリービジネスである漁業を支える高校生のルビー。
ヤングケアラーと共依存関係、そして遂に出会った自分自身の夢。
第一言語が手話。
歌いたいけど、人前で歌う勇気がない。
そんな彼女が少し気になる男子の背中を追いかけながら合唱部に入部します。
自分の声にコンプレックスを持ちながらも、V先生の指導により、歌うことの喜びと自身の才能に目覚めていくルビー。
V先生の後押しにより、音大への進学を夢みるが、、、
はたして、これまで音楽経験のないルビーの歌声や思いは、自身の夢に、そして家族に届くのか。
不器用で少々身勝手ながらも愛情とユーモアに溢れる家族。
母ジャッキー役のマーリー・マトリンをはじめ聾者の役者の表情豊かな表現力が素晴らしいです。
父フランク役のトロイ・コッツァーのジェスチャー下ネタの面白さ😂
ルビーの決断の背中を押す頼れる心優しい兄レオも素敵でした。
そして何よりも、聾者の役者の中において唯一の健聴者であり、もともとのCODAではないルビー演じるエミリア・ジョーンズの顔の表情や指先まで行き届いた美しい手話表現がとても印象的で心打たれました。
ストーリーがシンプルかつストレートだからこそ伝わる愛の物語。
一部下ネタはご愛嬌として、誰にでもオススメできる安心の名作映画🎞でした。