いっくん

コーダ あいのうたのいっくんのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

耳が聞こえない、父と母、兄の4人家族で唯一聴覚が機能している娘。

ろう家族と生きていく娘の葛藤、耳が聞こえない3人の不安を見事に表現している。
主人公に共感しながら映画を鑑賞しているので、母親の言動に少し理解が追いつかなかったが、どれほどの不安を感じて生きてきたのかを体感するシーンが鑑賞会のシーン。
無音が続き、周りの人たちの表情や身振り手振りで娘の歌声を判別する。
自慢の子供の歌声を誰よりも家族が聴きたいはずなのに、それができないもどかしさ。
鑑賞会からの帰り、父親に歌ってほしいと頼まれ、娘の首に触れながら肌で感じようとする父。
お兄さんの気配りに兄でありたいという想いも伝わってくる。
そして外の世界があるんだぞと最後まで応援してくれた音楽の先生。
最後のピアノのミステイクは粋でした。

娘の新たな人生の門出とそれを応援する家族、最後の4人の抱き合うシーンが印象的でした。

ただ耳が聞こえない人たちが生きる人生の難しさに思いを馳せることの方が多かったように思います。
最後は家族も周囲の人たちと時間を分かち合えていたようですが、現実はどうなのだろう?と。
いっくん

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