コーダ あいのうたのwattiestのネタバレレビュー・内容・結末

2022年45本目

"分かり合うことの難しさ"

今作はろう者の家庭とそこに生まれた聴者の娘が心を通わせ合う過程が多くの苦しさとともに描かれている。
聴者同士でも彼らのように強く"分かり合う"ことは難しいだろう。
愚直なまでに真摯に人と向き合わないと到達しない何か、が描かれていたように思う。

コンサートのシーンで無音になりルビー以外の家族と同じ感じ方を観客に与える演出、感情が昂る中一瞬で彼らのもどかしさに引き込まれ、胸が詰まった。

その夜、耳では聴こえないながらも歌うことを求め、触れることで何とか感じようとする父親の真っ直ぐな思いにも心を打たれた。

ストーリーもさることながら、大自然を活かしたロケーションも素晴らしく、特に静謐な湖でのシーンには心が清められた。

自分も彼らのように熱く、正面から大事な人たちに向き合いたいと強く感じた。