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コーダ あいのうたのFinnのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.6
聴覚障害者の両親を持つ子供(Child of Deaf Adults=CODA)であるルビーの自立と、家族の絆を描いたアカデミー賞作品賞受賞の感動作。
実際に聴覚障害のある役者をキャスティングしている点も素晴らしい。

映画館で初めて予告を見たとき、ほんの数秒の歌声でブワッと涙が込み上げてきたのを覚えてる。
ストーリーも感動的ではあるけど、やっぱりルビーの歌声の素晴らしさがこの作品の大きなポイントだと思う。歌うシーンのたびに涙と鳥肌が…泣

家族の中で唯一耳が聴こえがゆえに家族から頼られることを負担に感じつつも、聴こえない3人の輪に入れなくて疎外感と寂しさを感じていたルビー。家族だからこそ一筋縄ではいかない複雑な気持ちがあるよなぁ。
私も親が病気になって、当時やりたかった事を諦めて数年間看病&介護してたから、夢を叶えるために進みたいけど、自分がいないとみんな困るから家族の元に残るよって言っちゃうルビーの気持ちがちょっと分かって胸がギュッとした。

ルビーの夢をすぐに応援できない両親に対して酷いって思う人もいると思うけど、歌の才能って学力みたいに分かりやすく点数出るものでもないし、周りから「娘さん才能あるよ」って言われたとしても全く聴こえない人がすぐ「そうなんだ!すごい!」とはならないと思う。人と比べてどのくらい上手いかも分からないから心配だろうし。
でも発表会で楽しそうに歌う娘の姿や、聴いてる周りの人が笑顔になったり涙を流してるのを見て、娘の背中を押したお父さん…最後の"Go"泣いた。

ルビーが一歩踏み出したことで、家族も外の世界と関わる勇気を持てて、それぞれが自立できたのも良かったなぁ。

主演のエミリア・ジョーンズ、Doctor Whoの第7シリーズで時の女王役で歌ってたあの子と知ってビックリ!!めちゃくちゃ好きなエピソードだし、歌声が美しかったから印象に残ってる。今後の活躍も期待。
マイルズはシング・ストリートのフェルディア・ウォルシュ=ピーロ。もうちょっと歌声聴きたかったな。

リメイクだし、分かりやすいハッピーエンドだから正直アカデミー賞獲ったのは意外だったけど、文句なしに素敵で心暖まる作品でした。ジョニ・ミッチェルとディビッド・ボウイの選曲も最高。
落ち込んだときに観る作品リスト入り!
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