安堵霊タラコフスキー

劇場版 呪術廻戦 0の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
4.6
こういう映画化に相応しいものを予め作っておいて良かったなと心底思う、呪術廻戦本編の前日談。

主人公の乙骨が呪術について何も知らない素人から始まるって設定もあってか、原作ファンでもTVシリーズだけ見ていても、果てはそのTVシリーズすら見ていなくても面白いであろう作りになっている点においても素晴らしいと言える作品。

その乙骨が、声も言動も含めあまりに碇シンジしていたのは(同じ年にようやく声優がエヴァの呪縛から抜け出せたであろうことを鑑みても)どうかと思いもしたけれども、その碇シンジ的なヤベえ奴感も魅力になって面白さを際立たせていたこともまた否めないのが困り物。(クライマックスの「純愛だよ」とか一周回って格好良過ぎて吹き出してしまったし)

原作漫画にほぼ忠実に劇場アニメ化しているだけあり、その原作の話の区切りも結構わかりやすくなっていた箇所が多くて劇場アニメとして鑑賞する総集編感も結構出てしまっていたものの、原作の良さを見事に映像化していたことは天晴れだったし、改めて原作漫画やTVシリーズにも触れたくなる気持ちにもなれたから作品人気の更なる付与にも貢献すること請け合いだろう。

兎にも角にも、過去の漫画等の影響色濃く出過ぎだとか同じジャンプ作品の鬼滅より人気等が落ちるだなんて言われることもある呪術廻戦ながら、やっぱりかなり面白い作品じゃないかと確信が持てる良質な劇場アニメとなっていたので大満足。