個人的に好きな映画でした
最近「ケアの本質としての弱さ」というテーマの講演を聞いて感銘を受けたのですが、人は弱さを見せ合うことができた時に、心が通い合い癒され、1歩関係を深められるのではないかと思いました。
物語は、妻を亡くしたリリーフランキー演じる兼三郎が、妻役の木村多江演じる明子の遺言をたどり、イギリスの湖を求めて旅するロードムービー的展開で。
その道中に、振り返りという形で、これまでの2人の関係、親子、家族の関係が少しずつ見えてきます。
以下ネタバレ注意です
ここで認知症をもってくるのが、ちょっと表面的かなと最初は思ったのですが、なかなかリアルで良かった。
常々、結婚相手となる人は、自分が介護してもいい、オムツ交換ができることをイメージできる人がいいなというのがあったのですが、介護されるよりは、する方がいいのかもしれないと思わされました。
兼三郎の一途な妻への愛やそれゆえの囲いこみがあるけど、遺骨を妻として共にある姿や、まだ亡くなったことを受け入れられず、なんでも2杯頼むところ、最後の告白など、リリーフランキーがいつもと同じようで違う演技で良かった。
最後の告白は、殺めてしまったとも取れるけど、助けるためにそうしようと思ったけど、できなかったと信じたい。
冒頭にも書きましたが、この旅は喪の作業でもあると同時に、弱さをさらけ出すことで、人との繋がりを感じる、人として成長する物語なのではないかと思った。それが喪の作業なのかな。
錦戸亮、最近また見るけど、苦悩する子ども役が合ってた
木村多江も好きだし、あれやるのなかなか大変と思う。
高梨臨は安定
客入り少ないし、上映回数も少ないけど、多くの人に観てもらいたいと勝手ながら思いました