このレビューはネタバレを含みます
好きなところは沢山あるけど、面白くはない作品でした。
ショッカー幹部のデザイン、撮影に使われたロケ地、ここぞの場面のルックは素晴らしいです。
映画開始直ぐに逃走シーンは凄い良かったです。急になんの脈絡もなくパトカーひっくり返っていて、ん？ってなりましたけど。クモオーグとの戦闘シーンは良かったと思います。特にショッカーの構成員たちを潰していく様はライダーの強さと怪人の恐ろしさを巧みに表現していましたし、さらにそこから主人公の本郷が持つ命を奪うことへの葛藤につなげていくのは、素晴らしい話の展開の仕方です。
サイクロンの変形とヘルメットの自動変形で一気に引き込まれました。
コウモリオーグ要ります？政府関係者の信頼性を促す為の要因でしかないです？コウモリオーグのCGは正直褒められたものではなく、映画館で見るには厳しいものでした。
サソリオーグからのハチオーグの流れは良かったです。政府側の本気が感じられる良いシーンだったと思います。
一文字隼人と本郷の闘いはまるでドラゴンボール。バッタオーグの性能のぶつかり合いを見せたかったのでしょうが、欲を言えば2人の泥臭い闘いを見たかったです。
カメレオンとカマキリのハイブリッドオーグはそう来たかって感じでした。ここで出して来たか、と。
ショッカーライダーの登場はもう興奮しました。でもアクションシーンが暗すぎてなに起きてるのか、正直見にくい、勿体無いですよ。
そして今回のボスキャラのチョウオーグ。スーツを着たその姿はV3？もうちょっとカッコ良く出来なかったものかと。１号と２号が昔のデザインを残しつつ現代版に改良した、無駄のない実にカッコいいデザインだったのに。戦闘シーンもパッとしないと言うか、全くハマりませんでした。
まぁキャラクターデザインの大半は良かったですし、容赦なく血が噴き出す戦闘シーンは好感しかないです。ただ、話が面白くないです。全然。描いたい要素を詰め込み過ぎて、ただただシーンが流れている様な印象を持ってしまいました。あと全部台詞で感情を説明してしまう部分も、実写だと安っぽく思えてしまうんです。
今作ではアクションの撮り方が、カット割が多いせいでしょうが、何が起きているのか非常にわかりにくいです。TVシリーズのノスタルジーを捨てないのと、ただ真似するは違うと思うので、もっと空間を広く使っても良いのかなと思いました。シンエヴァにあった画のおもしろさが今作ではがっくし減ってしまって非常に残念でした。
ショッカーの背後を潜む組織の存在、新たなオーグやKそして、キカイダーの抜け殻みたいなやつも含み、多くのハンガーラックがあり、さらにはクレジットで流れた曲で、ライダーが戻ってくる風なことも歌っていたので、興行次第では続編もあるのでしょうか。
もっとしっかり悩んで、時間とお金を掛けて作って良かったのかなと思いました。
クモオーグのキャラと一文字隼人の明るさ、そして何よりライダーキックは今回特に素晴らしかったです。
