実質、シン・緑川ルリ子。初代仮面ライダーをロードムービー仕立てにした緑川家の物語。感想はとにかくこんな映画を創ってくれてありがとうございますに尽きる。シン・シリーズは庵野秀明の幸せな老後の終活。舞台挨拶にも出てこないのはそのせいで、クリエイターとして羨ましい。
評価に賛否両論あるのはもっとアップデートされた例えばマトリックスみたいなアクションシーンを観たかったんだろう。ただこの映画を貶してるのは例外なく初日に劇場に駆けつけた人たちで、期待と愛情の裏側しを感じる。本当に残念な映画なら公開後話題にもならない。
単なるアクション映画にしなかったことより、個人的には絶対悪とは何か？とショッカーの再定義したこと、キカイダー、ロボット刑事K、イナズマンと石ノ森章太郎ワールドにしてくれたこと、原作リスペクトで最高だった。
ただこれは、当時の初代ファンだっただけでなく、事前に原作や連載中の前奇譚漫画を読んでいったせいかもしれない。初見だと情報量が多過ぎた。特に最初の説明は字幕が欲しいと思ったくらいだ。同時期リメイクされた仮面ライダーBLACK SUNよりはるかに好きなんだけれど、逆にこっちを全10話とかで観たかった。尺に対して怪人が少し多かったし。
あと最後のソリューションが分かりづらかった。ここはもう一度観なおして確認したい。そういう意味では、在来線爆弾に血液凝固のシン・ゴジラは良くできた奇跡の映画だった。
役者はサプライズの長澤まさみはもちろん最高だったんだけれど、一文字隼人が良かった。事前の舞台挨拶ではまるでパッとしない男だったのに、相当格好良く見えたのは相当いい役者なんだろう。
