幼い頃にテレビ版『仮面ライダー』を視聴し、『仮面ライダーSPIRITS』は途中まで読んだ程度の知識で観にいった。
とりあえず言えるのは「誰に感情移入して良いかわからない」ということ。いや、庵野監督は恐らく感情移入をさせようとか考えていない。彼の思い描く「仮面ライダー」を詰め込みまくった結果、詰め込みまくった映画が出来上がった。エンジン全開フルスロットルで流れていく映像について行ける人は楽しいだろうし、振り落とされた人は多分眠くなるだろう。僕は途中から画面を見ながら「これはもしかして総集編なのではないだろうか。テレビ版が存在していたのではないか」という謎の錯覚に襲われた。
「ゴジラはまだ良いけど、ライダーは庵野が距離近すぎてやべえんじゃねえか」と2016年に誰かが呟いていたが、まさにその通り。
『アサシンクリード』を越える「観客置いてけぼり型エンターテイメント」の誕生である。
