エヴァシリーズは個人的に大好きで、本作の脚本にも、それぞれが抱える内面や魂を描くところに庵野監督の気配を感じた。ただ最低限の説明で物語が進んでいくせいか、共感部分が少ないせいか、全体を通して置いてけぼりをくらっている感覚になってしまい、世界観に没頭しきれなくて残念だった。受け取る側の器量か集中力の問題かもしれないけれど。
とはいえ、子どもの頃に見てきたようなライダーのアクションシーンはわくわくしたなあ。最初のアクションから思い切り血が出るので、これが大人の仮面ライダーなんだな……という気持ちになった(?)。子どもの頃に観ていた仮面ライダーはわかりやすい勧善懲悪だったけれど、本作はより人間らしい葛藤と揺らぎがベースにある気がする。
配信で観たのだけれど、映画館で観たらもっと違った感想が生まれていたかもとも思う。終わりかたはとても好きでした。