たお

シン・仮面ライダーのたおのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.9
この映画は仮面ライダーを題材にしているが、専門用語が多い点などもあり子どもが見るには非常に難解な映画であると思う。このような面がある為、少し評価を0.1下げた。

ただ原作を意識したカメラワークであったりBGMやバイクの演出。多少バイオレンスてはあるものの、お子様エフェクトは無くきちんと血が出る点。パンチとキックの重みやジャンプ力の高さなど本来仮面ライダーが持っている身体能力やフィジカルをこれでもかと表現してくれる。

これがファンである私にとってかなり嬉しい表現方法でった。庵野もきっと仮面ライダーファンなのだろうと感じた。

また一人一人に信念を感じられたこと、これが私にとってかなり評価している点である。

特に印象に残ったのはハチオーグで彼女は、洗脳や支配された世界が幸せであると考えていると思う。なぜなら支配や管理された世界では人は自分で頭を使い何かを選択する必要が無い。崇拝し、信じるだけでそれ自体を幸せであり苦痛を感じることは全くない。脳死でいることは非常に生きていて楽であることも共感出来る。このような現象は現代の人間にも当てはまる人たちはいると思う。有名人や配信者を全力で肯定し信じ、思想や発言がとんでもないものだとしても脳死で肯定する人たちは少なからず存在する。

一方仮面ライダーサイドは違う。自分が頭を使い、取捨選択をした結果辛いことや苦しいことがあったとしてもそれもまた幸せの一環であると考えるのだ。

このようなアクション面だけでなく信念のぶつかり合いもまた垣間見ることが仮面ライダー作品で上手く表現することが出来ているのは本当に凄いことであり新鮮であると思う。
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