しゅ

東京自転車節のしゅのレビュー・感想・評価

東京自転車節(2021年製作の映画)
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ちょうど当時Uberをやっていたので、共感度が高かった。あの時の惨めさとか将来への不安とかしんどさを生々しく思い出して、同じシチュエーションの悪夢をまた見てる時みたいな感覚になった。ありがたいことにある程度環境や運は良い自覚はあったので、なんとかなるという希望をうっすら持ててたのが救いで、それすらなかったらどうなっていたんだろうと思った。普通の生活ができるようになった今、上から目線であることを自覚した上で素直に「抜け出せて良かった」と思った。

映画自体は、あざとさを感じて正直キツいところがあった。ドキュメンタリー映画ならドキュメンタリーを見たかった。不幸や惨めさを武器に人の共感を誘うのはズルい。もっとやりようあるだろ、頭使って闘えよ、それすらしないで不幸ぶるなよって思うようになってしまったのは、生存者バイアスなんだろうか。少なくとも当時見てたらそんなことは思わなかったはずなので。職を失くしたとかUberで雨の中クエストを達成したみたいなことより、そのあざとさや自分の考え・感情の変化がドキュメンタリーだった。
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