きのこ

そして、バトンは渡されたのきのこのネタバレレビュー・内容・結末

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

興味はさほどありませんでしたが訳あって鑑賞。
正直特に良さはわからず。
わりと突拍子もない展開が続き、後半にかけて無理やり感動させるThe邦画って感じでした。

大森南朋ほど無計画で奔放な父親はどうかと思うし、市村正親ほどの金持ち理解者は早々居ないし、田中圭のThe優男は似合うものの見飽きましたし(むしろその「いい父親像」には気持ち悪さすら感じます)、石原さとみの背景も正直「感動装置」としか思えず。説明が特にないのでそんな10何年もなんとかなる病とは、という疑問や、「娘」を思う形(やり方)の歪さに共感できず。なおかつ、これほどの経歴でまっすぐに育つ(ある意味では非常に曲がりまくってますが)永野芽郁のような娘も世の中にはいないでしょう。
岡田健史も「望み」で見た時より見劣りする演技に思えました。そもそもが考えもフラフラで、うーん、、、というようなキャラクタです。

個人的に1番BADだったのは、あれだけいじめ加害者だった同級生が事情を知って手のひらを返した挙句、先生が勝手にそれを伝えているにもかかわらず(しかも面談の際はやや反抗的だったのに)それを受け入れている永野芽郁の構図でした。自分の人生を悲劇として語られることへの嫌悪感がある、と思わせるあの面談のシーンは、だったらなくて良かったかなあと。主人公なのに、彼女の考えが最もわかりませんでした。

最終的にタイトルの回収はしますし、それ自体は「なるほど綺麗ね」と思うものの、登場人物(に対する構成)やその背景に対する驚きは特になく、「まあ、でしょうね」という展開に終始する作品でした。

ただいくつか惹かれるセリフはありましたから、確かに原作はいいのかもしれません。長年書いてる人なだけはあるのでしょう。読みませんが。
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