のこ

そして、バトンは渡されたののこのネタバレレビュー・内容・結末

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作を先に読んでいたので、原作にほぼほぼ忠実である点は喜ばしくも、「結末のそこはやっぱり変えちゃうんだ〜」って改変がどうしても気になってしまう。

「商業的に仕方ないよね!(泣かせる作りにしないとね!)」と納得せざるを得ないけど、その他にも製作側の「泣かせよう感」が凄くて、ひねくれている自分はなんか観客のすすり泣きの音が大きくなるにつれて返って引いてしまった。

例えば、十数年ぶりの父親との対面で、彼らの手紙の内容を娘の彼氏と父の奥さんが暗唱するってどんな状況?現実離れしてるというか演劇的というか「ここで泣いてくださいね」って暗に言われてる気分になる。結婚式のバージンロードで森宮さんが早瀬くんに牽制するシーンもそう。他にもわざとらしいシーンが多かった。
あと、原作にあるいざこざを省いたために、いじめっ子だった同級生と急に友達になる謎展開はとてももったいない。

「親がたくさん変わっても血が繋がってなくても沢山愛されてて全然不幸じゃなくて逆になんかごめん(意訳)」という原作のコンセプトはとても好きだし、それは映画でもちゃんと表現されていたのでよかった。俳優陣の演技もすごくよかった。でも田中圭は何を演じてもおちゃらけた田中圭がチラつくし、原作とも少しイメージが違った。(彼のことは「包帯クラブ」のときから好きだから悪く言いたくないけど)
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