木曳野皐

そして、バトンは渡されたの木曳野皐のレビュー・感想・評価

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
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一言感想「しつこい」


実に良かった、良い話だった。素敵すぎて涙も出ない。これで感動できる甘ったるい奴…胸張って生きろ、それは親に愛され素直に育ってきた証だよ…
観た後に「まぁそうだよな」とか「あぁやっぱりな」というのが正直な感想で、そしてそこに至るまで繰り返される入学式とか卒業式とかその行事=涙 みたいなお涙頂戴演出がしつこい。
繰り返し繰り返し説明され遡る過去も、そんなに森宮さんのこと父として認めてるんだったらいい加減「お父さん」って呼んでやれよとか色々思っちゃった。
なんだこのモヤモヤは、って原因辿っていったらこの映画全然人物についての説明ないじゃない。説明されるのはそれぞれの関係性だけで、そこに至るまでの人の感情や事情があっさりバッサリ。そりゃ感情移入なんか出来ないわな、って思ってしまった。映画だけ観るとみんなの関係性が浅すぎる。
全体を見ればすごくいい話ではあるんだけどね…
私の肌にはやはり合わない。
小説のいい所は、好きなだけ遡れて、好きなだけ進められるところ。
そして甘ったるくしつこい演出でもそれが活字になった瞬間さらりと喉を通る水になるところ。
それは人の想像力にもよるだろうけどね。
やっぱり小説の良さは小説にしか引き出せないことの方が多いと思った。

ただ母である田中梨花の可愛さたるや、あざとさたるや石原さとみにピッタリすぎるしあと綺麗なだけじゃなく演技力バチバチなのがこれで更に証明されて我、大満足。
石原さとみの母役めっちゃいいやんけ…
主演である永野芽郁ちゃんもやっっっっぱり可愛いし私永野芽郁ちゃんのこういう演技好き。優しくて無邪気で可愛くて…っていうのが素の感じなの最高に推せる。
木曳野皐

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