毛玉

チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズの毛玉のレビュー・感想・評価

4.5
今年イチ笑った…!

かつて人気を集めたチップとデールの現在を描きながら、離れた2人の心が向き直っていくまでの物語。
実写、2Dアニメ、3Dアニメ、CGアニメ、パペットからクレイアニメに至るまで、ディズニーが関わってきた(違うのもあったかも)ありとあらゆるエンタメを詰め込みまくった作品でした!
ディズニーネタだけじゃなく、王道の映画ネタを使った展開もあり、終始爆笑。とにかくギャグが全部面白くて驚いてしまいました!

本作が他の映画と明らかに一線を画しているのは、圧倒的な映画イジりにあると言えます。炎上したソニックのデザイン問題をイジり倒し、昔の人気のないキャラクターをイジり倒し、ディズニー傘下になったMCUやルーカスフィルムもばんばんイジっていきます。なんかチラッとポケモンのサトシみたいなのいたけど、あれはいいのか!?笑ったけど!
似たようなことをしている最近の作品として『デッドプール』シリーズが挙げられると思いますが、デッドプールと本作の違いはそのテンポの良さにあります。デッドプールは早口で長々とネタに塩を塗っていきますが、チップとデールは2人のワンラリーの掛け合いひとつでネタを居合切りしていくのです。そのおかげで、デッドプールよりも多彩で膨大な量のネタを、とてつもないペースとテンポで捌き切って笑わせてくれます。デッドプールが南海キャンデーズなら、本作は完全にノンスタイルです。

さらに映像もめちゃくちゃクレイジーなことをしていました。実写世界の中の2Dアニメーションのキャラクターが、実写のバスローブを羽織って動いているなんて映像があるのです。頭がおかしくなりそうでした。
さらに僕が頭がおかしすぎて笑ったのは、キメラのようなラスボスです。ひとつのボディーにありとあらゆるアニメーションと実写、そして映画ネタまでもが盛り込まれているという、本作のクレイジーさを象徴するようなキャラクターが登場するのです。詳しくは実際に見てもらって爆笑してほしいので言いませんが、僕は左足がトランスフォームするところで腹がちぎれるかと思いました。

ゆっくり見返しながらノートにひとつずつメモしていけば、本作に登場した映画ネタをまとめるだけでA4サイズのルーズリーフが容易に埋まりそうです。それをクレイジーなアニメーション表現と、本作品の構造をメタ的に利用した世界観のストーリーの中で両立しているのが考えられません。フィル・ロード&クリス・ミラーコンビの作品並みのクオリティでした!
時間も100分弱と短いので、ちょっとした暇を作って今すぐにも見て欲しい作品です!
大好きな作品でした!
毛玉

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