コザクラさん

田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版のコザクラさんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ブレッソンらしい救いのない状況が淡々と続いていく。ただ物事を静かに観察するのみという、ブレッソンの作風が完成された作品とのこと。
教区に赴任してきたばかりの若い司祭の、聖職者としての意識と村人から向けられる理不尽な悪意との間で悩むうちに、結核と思い込んでいた胃痛が癌だったことを知り、結果、死んでしまう。
最後の言葉は「所詮、聖職者はただの聖寵(せいちょう)に過ぎない』
聖寵は神が無償で与える恩恵のことだそうだが、人々に赦しを与える存在ということか。その場合、聖職者に赦しを与える者は誰か。真面目であるが故に息を抜くところが分からず、一方的に嫌われて死んでいくというなんとも救いのない話。
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