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マシューのBSSTO編集室のネタバレレビュー・内容・結末

マシュー(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

正解はないので、観る人が自由に解釈をすればいいと思うのですが、以下ガイド的に私の解釈を・・・

①なぜ、主人公マチューは急に自我に目覚めた?
⇨転換点は、イレーヌが転んだシーン。ここで何が起こっていたか?
三人の視線がマチューに集まる
・転んだイレーヌ=マチューが助けに駆け寄ってくることを期待(男性としてではなく都合の良い存在として)
・お隣のお店のシシー=マチューが助けなさいよ
・おばあちゃん=あたしゃ関係ないよ、あんたやりなよ

「結局、俺、都合の良いだけの人間なんじゃない?」に気がついた瞬間。

②職場のボスとの交渉のシーン
我慢できずに言いたいことを言う(計画的ではなく)⇨ボスからも「話を聞こう」同僚からも「ありがとう」・・・「行動したらいい方向に動いた!」という手応え。それが③につながる。

③マチューはなぜイレーヌの店で”言いがかり”をつけたのか
想いを寄せるイレーヌにとって「都合のよい存在」でありたくなかった。だから、あえて「いい人」を捨てる行動を計画的にとった。(「勝つには戦わないと」)

④夜、イレーヌのアパートメントを訪ねるシーン
「いい人」からの卒業と、「男性」として意識させることの成功。
「非常識なことばかりする人ね」「いつもは普通の人間だよ」⇦このやりとりにキュンとするとの女性視聴者の声あり。

職場ではうまくいかなかったけど、恋ではうまく行きそう。
マチューの今後の人生を応援したい、グッドエンドな作品。

監督コメントにもあるように、
あなたの周りにマチューはいない?「いい人」を都合よく扱っていない?
っていう問いかけが含まれているのだと思います。
「いい人」が自我を持った時に周囲に広がる波紋とは、要は「自分にとって都合のいい人間がそうではなくなったことに対する苛立ち」と裏返し。いい人を利用する見えざる暴力を浮かび上がらせているのでは?
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