心の不調を抱え 妻と共に
故郷函館に戻ってきた主人公が
治療のために始めたランニング。
彼はどんな時にもまるで
贖罪を背負うように一身に走り続ける
それはまるで果てしない孤独から
逃れるように
消えては浮かぶ絶望に
再び追いつかれぬように
自分に纏わりつく死の匂いを
振りほどくように
その先に見える
朧気な光に癒しを求めるように
彼と併走する高校生の男女。
自分にさえも形容しがたい
繊細な迷いを抱えた彼らが
触れるように交差することで生じる
心の揺らぎ
決して穏やかではないグレーの海で
不器用に泡を掴まなくていい、
震える心を落ち着かせるかのように
そのまま迷いなく走り出した先に
彼を待ち受けるもの
湿り気を含んだ潮風に
そっと頬を撫でられ
澱んだ雲の隙間からこぼれる
柔らかい陽の光を浴び
直に踏みしめる大地のぬくもりに
生命の喜びと尊さを知り
生きることへの希望を
どうか繋いでほしい
𓈒𓈒
思いつめ今にも壊れそうに震える東出くん、
とっても良かった、、
終盤の奈緒ちゃんとのふたりのアップが
とても重く切なくて印象的、
電球のシーンもきゅん♡です。
彼らの抱える孤独が函館の殺風景で
寂しげな空気にとてもあっていました