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決戦は日曜日のBATIのレビュー・感想・評価

決戦は日曜日(2022年製作の映画)
4.4
日本の選挙と政治の「無」についてここまで描いてくれればよい。宮沢りえ演じる候補を馬鹿な女として描きすぎたのは減点だがそれすらもあの人への当て擦り。あとは宮沢りえの器で作品をもたせた。射程圏内にいる人間が作っているのが見えて良い。

様々な時事スキャンダルや炎上をマッシュアップさせて、川島有美のスタイリングはあの都知事だろうし、なんならアレのニュースが入るタイミングもホラー過ぎて笑えなかった。邦画のよくある役者に叫ばせて間をもたせる愚描もないし、真摯でよかった。

しかし、赤楚衛二が絶妙だった。あの役がさらに「無」をマスキングさせていた。ある台詞でゾッとした。

アダム・マッケイのあれと比較してらっしゃる感想をいくつも見るけど、こっちは明らかに実害を被っている人間が作っているのが見えますからね。安全圏内から撃っているようには見えないので私はこっちが好き。>「決戦は日曜日」
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