Panierz

三人の女のPanierzのレビュー・感想・評価

三人の女(1977年製作の映画)
5.0
『イメージズ』でアルトマンが見せたスキゾフレニアの特異的な景色が三人の女、という更にヒステリックな相貌に分裂、あるいは敷衍して描かれている控えめに言っても大傑作。

噛み合ってない会話、不自然なフォーカス、人格の転移、ズレがズレを招く世界。あるのは差異の共時的体系のみ。
像と像がいくらでも交換可能、誰もが誰でもないというような円環する魂の移動にはイメージズ同様、鑑賞者の視点をも移動=逸脱させる。日常を生きる中では考えもつかないような異様な世界へ連れてってくれるアルトマンの異色作でありながらその表現にブレはない。
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