Rei

ひまわりのReiのレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
3.5
戦争によって蜜月の最中に引き裂かれた夫婦の物語。
行方不明の夫を信じ捜し続ける妻。
ソフィアローレン演じるヒロインの奔放で、力強く振舞うさまはまさにヒマワリそのもの。
だからこそ、一人のもの暗い部屋での寡黙な食事シーンに深い人間味を感じる。

希望を捨てることなく決して諦めることのなかった彼女を待ち受けていた残酷な真実。
勘のいい彼女の胸騒ぎと、夫を信じたい気持ちとが交錯しながらついに ああやっぱりかと突きつけられるシーンは胸が痛かった。
余りのことに咄嗟にその場から逃げ出してしまうが事実からは逃げる事は出来ない。しかし何かを恨み続けて生きることなんて出来るわけもなく、、、
こんな時は時間だけが唯一の味方ですね。

マネキンのようなパーフェクトボディのソフィーがマネキン工場で楽器を弾くようにマネキンの尻を磨くシーンはなかなか面白かった。辛いことがあっても挫けず、引き摺る想いは胸に閉じ込めてあのチャーミングな笑顔!
ロシア妻も本当に可愛い。(顔はスカヨハみたいで日本人好みの顔)夫を信じて送り出す姿は健気で可憐です。
女二人が正々堂々とした懐の深い性格なのに対して男ときたら。ふらふら感にはダサっ!と思ってしますが、これが男の純真さといいますか、性ってやつなんでしょうか?

舞台のようなメリハリあるカット割と、どっぷり暗い悲劇に描かれてないのが小気味良く、古き良き時代のメロドラマを劇場で体感出来て良かったです。

一緒に鑑賞した友人は、お母さまと二代に渡って思い入れのある作品という事で、お隣で大号泣していてとっても羨ましかったです。
そうやって受け継がれて行くのがまた名画と呼ばれるものの魅力でもあるんですね。
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