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シリアスマンのmaoのレビュー・感想・評価

シリアスマン(2009年製作の映画)
4.0
コーエン兄弟が監督脚本製作している本作、彼らが子供だった1967年のミッドウェストでユダヤ人の生真面目な男が不幸の連鎖に巻き込まれていくブラックコメディ。劇的な事件があるわけではなく、地味に嫌な事がどんどんデカくなって主人公を追い詰めていく陰湿さがコーエン兄弟ぽくて面白かった〜超好き。

何かの病気でずっと家に居座りトイレで膿を潰して出てこない兄、それに毎日キレてる娘は鼻の整形を企み、息子は授業中にラジオと共に同級生に支払うマリファナ代20ドルを取られ怯え、妻は離婚したいと言い出し再婚相手に考えているのは自分の友人、隣人はうちの芝まで刈り始め、大学教授として職務を全うしてるだけなのに落第した韓国人学生から逆恨みされ、信じている神にも見放された不条理さ。

ここまで不幸フィーバーを起こしてるのに面白く感じるのはフィクションだからなのもあるけど、脚本の巧さと人生ってそんなもんだからって良くも悪くも突き放してくるストーリー。
父親をモデルにしてる自伝だと思ったけど、少し設定に反映しているだけらしい。
コーエン兄弟と言えば、めちゃくちゃリアルな嘘を放り込んでくるけど今作も冒頭の神話から健在。本当にある話かと思った笑 歯の裏の話とかぶち上がったよ。
DVD化してないので配信で鑑賞するしかないのが惜しい。
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