かに

バーダー・マインホフ 理想の果てにのかにのレビュー・感想・評価

4.0
60~70年代は、こういう組織が世界中にあってそれぞれ活発に活動していたなんて半ば現実味がないけれど、今似たようなことが起こらないとも言いきれない。
テロリストになろうとしてなったテロリストなんていないんだよな…理想を目指して革命家になろうとしたら傍から見たらテロリストだった、という話。銀行強盗や爆破が果たして革命と言えるのだろうか、本人たちは疑問に思わなかったのかな。
初期の主要メンバーの逮捕後に組織全体のポリシーやら軸がブレはじめる感じ、一緒にしていいか謎だけど部活とかサークルでのメンバー各々のモチベの差が積もり積もって活動に支障をきたす感じに少し似ている。RAFの場合、暴力性だけが増して収拾つかない感じになっていて最悪の展開だったけど。

題材の不安定さとは裏腹に人物描写と物語性と時々差し込まれる実際の映像のバランスの安定感が超良くて、面白かった。レビュー数めちゃくちゃ少ないし、もっと色んな人に見て欲しいな〜。わたしが、ドイツ赤軍はおろか戦後の世界史についてあまりに無知すぎるので個人的にすごく勉強になった。授業の課題のために見たので、それが無かったら絶対出会わなかっただろうなとも思う。
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