Kaz66

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のKaz66のレビュー・感想・評価

4.0
1969年、ウッドストックと同じ年の夏、NYハーレムにて行われた、“黒人の、黒人による、黒人のための”歴史的フェスティバル!
しかしこのフェスはそれから50年間日の目を見る事はなかった…。
この作品を発掘し世に送り出したのは、5度のグラミー受賞「ザ・ルーツ」のドラマー/DJのクエストラブと3人のプロデューサー達。
50年前とは思えない高音質のライブ映像と、観客や参加アーティストの声をリズミックに編集した、ジョシュア・L・ピアソンの手腕が素晴らしいです。
観る前は純粋なライブ映画と思ってましたが、始まってみると(クエストラブだけあって)コレがかなり政治的な作品/当時の社会情勢が表現された作品でした。
なぜハーレムで黒人の無料フェスが行われたのか?
無料ライブで30万人もの人を集め、レジェンド・アーティストが揃ったフェスがニュースにもならず、その後50年もお蔵入りになってたのか?
これだけ高音質な音源とフィルムが残ってるのになぜパッケージ化されなかったのか?
などが…、スティービー・ワンダー/スライ&ファミリーストーン/ニーナ・シモンらの圧倒的なパフォーマンスとともに、今のBLM運動にも繋がる当時のNEGRO→BLACKとなる黒人の“生”が迸ってました。
音楽作品としても社会的メッセージとしても、大変貴重で面白かったです。
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