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親愛なる君へのtaominicocoのレビュー・感想・評価

親愛なる君へ(2020年製作の映画)
4.0
観賞後に言葉が出てこなくて感想が書けない作品がいくつかあります。
『芳華-Youth-』、Netflix映画『弱くて強い女たち』、そして今作『親愛なる君へ』と全て華流映画。

「さて、どこから話しましょうか・・・」
言葉を絞り出そうとすると「切ない」って言葉しか出てこない。


ジエンイーは同性のパートナーの死後、彼の母・シウユーと息子ヨウユーの世話を引き受ける。当然のようにその役目を請け負う良い男。
一見そう見える彼を取り巻く現実は、思ったより複雑だった。
最愛の人を失った悲しみはいつまでも癒えず、マッチングアプリで出会った男と関係を持ち、慰めるーー。

ある日、シウユーが逝去する。
そこから、ジエンイーの人生の歯車が思わぬ方向に狂い始めるのだったーー。

シウユーは息子と孫を、ヨウユーは祖母と2番目のパパ(ジエンイー)を、ジエンイーは今は亡き彼と彼の忘れ形見の母と息子を。

ただお互いを守りたいという気持ちが、大きな間違いにつながってしまう。

誰も悪くない。なんでそうなるんだろう。
切なすぎて、ボロボロ泣けた。

この作品、すごく好みが分かれると思う。
BL並みのSEXシーンがあるので、苦手な人は予め。


台湾の映画とドラマは、割と好んで観てるんです。
シウユーを演じたのは、『弱くて強い女たち』でもものすごい演技をみせていたチェン・シェーファン。今作でも怪演でした。

検察官は台湾のラブコメドラマの常連、シエ・チョンシュアン。
この検察官がいなければどうなっていたか。
女性の検察官だから、真実に気づけたのもしれない。


先週の水曜日から私の心は劇場に残ったままで、胸のあたりに小さな穴が開いているような状態です。
切ない余韻が長ーく残るそんな作品でした。
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