国立映画アーカイブに所収されたんだ、吃驚。
上京した70年代中頃幾度か観た。もはや学生運動は学内問題では成立せず、社会に向かっていくのだが共に向かうべく集する学生はいない。そんな時代になってしまっていた。本ドキュメンタリーから10年と経っていないのに。
バリケードを築いた当初、大学当局により機動隊の出動が要請される気配を感じ、学生集会でどのように対峙するのかが話し合われる。ゲバルトで対峙するのか、バリケードを出てゆくのかで揺れる。共に揺れる。そのことに正解はない。その心情を理解しているラストシーンの演説はこころに沁みる。このラストシーン、初めて見た45年ほど前の記憶が甦る。ただ無茶苦茶に同調を求めるのではなくかなり理性的に訴えかけている。このアジテーター誰だろうか。
国立映画アーカイブ 発掘された映画たち2022 にて