ひろさん

成れの果てのひろさんのレビュー・感想・評価

成れの果て(2021年製作の映画)
3.9
8年前のレイプ事件の被害者である河合小夜(萩原みのり)が帰郷したことから、シャッター商店街に象徴される狭い町に住む人々の関係に波紋が広がる。
学校で無視され、被害者のうわさを流すことで仲間に入れてもらおうとする電気工事士。
自分の彼女の気を引くために事件のことを持ち出すレイプ加害者の上司。
「この人なら私から離れないだろう」という下心を持って加害者と結婚しようとする姉。
小夜が友人のエイゴを使って布施野を同じ目に合わせようとする一連の出来事以降、小夜の姿はプッツリと切れるが、自分で結論を得て再び町を出たのではないかと思う。そして、この町に住む人々は何も無かったかのようにこれからも関係を続けるのだろう。
小夜の姉、あすみ(柊瑠美)がプリンを食べる官能的な映像から始まり、口紅を塗るシーンで終わるこの映画の主人公は小夜ではなく、この町に住み続けるしかないあすみだったのかもしれない。
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