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成れの果てのSのネタバレレビュー・内容・結末

成れの果て(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

物語の大半は、布施野が小夜をレイプした話を中心に展開される。だから、あすみの存在だけ浮いているように感じる人も多いのではないだろうか。

見どころは、ラスト15分から。それまでの全てが、あすみの「相手にされない」「見てもらえない」という悩みそのものを表している。

レイプされた妹ばかりが話題に上がり、自分には人が集まらない。だから、金に困った友人を家に住ませたり、妹をレイプした人間と結婚しようとしたりする。でも、どんどんと人が離れていく。

その鬱憤が爆発したのは、近い立場にいるまーくんに同情されたから。自分は違うと言い聞かせるように発狂。最後の化粧のシーンも、自分を見てもらうための足掻きのように見えた。

人間の汚い部分を見ると同時に、自分にも少なからず重なるところがあるのではないかと思えた作品だった。
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