あんこ

屋敷女 ノーカット 完全版のあんこのレビュー・感想・評価

屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)
5.0
個人的No.1スラッシャー映画。
過去最高にテンションが上がったスプラッター。本当に本当に大好き。

自分が運転する車の事故で夫を亡くしたサラ。出産予定日を翌日に控えたクリスマス・イブの夜、屋敷(に侵入した)女に襲われる…。

という話なんだけど、冒頭の交通事故のシーンや病院での検診シーンからすでに陰気で、じっとりとした空気が漂っている。この悪いことが起きそうな予感しかない感じがたまらない。
夫を亡くしたショックから立ち直れていないからか、初産直前だからなのか、神経質で少し感じの悪いサラも良い。

夜、寝ているところに屋敷女さんが忍び込んでくるわけだけど、以降は基本的にずっと屋敷女さんvsサラのタフファイト。
この女同士の血みどろの戦いは最初から容赦なくて、屋敷女さんの一撃でサラの唇がザックリ切れていきなり血まみれになってしまう。サラも気を取り直して反撃するんだけど、仕留めたのが屋敷女さんではなくて自分の様子を見にきた母親だった…。

こんなにも絶望的な状況でさらに絶望させるなんて最高すぎませんか。

その後もサラはとても良く頑張るんだけど、何しろ屋敷女さんが強い。武器はほぼハサミだけなのに様子を見に来た知人や見回りの警察官をことごとく葬り去ってしまう。何人仕留めても折れたり刃こぼれしたりしないハサミの強靭さもすごい。サラの手の甲をドアにドスン!と打ち付けるシーンとか、痛々しすぎてテンションが上がった。

とにかく痛々しくて血まみれの場面が延々と続くし、例の階段のシーンは確かに閲覧注意…。
だけど、ラストの不穏な静寂には何とも言えない満足感がある、と私は思った。

それにしても、屋敷女さん役のベアトリス・ダルの美しいこと。色気のあるお顔立ちに黒いロングヘアとワンピースがとても良く似合っていた。そして狂気と美しさが入り混じった演技が圧倒的だった。
別な女優さんが演じていたら、ここまで夢中にならなかったかもしれない。


そういえば、後半に唐突に出てくるゾンビには違和感しかないんだけど、これは監督が「出したかったから」出しただけらしいです。
あんこ

あんこ